Crossfaithが企画する異種格闘クロスオーバー・イベント
CrossfaithとHo99o9のスペシャル対談

From FLJ ISSUE 62（09.30.2018）

PHOTO: 217..NINA (Crossfaith × Ho99o9)
cazrowAoki (Live)
　
Crossfaithが新たに始めた新企画「NITROPOLIS vol.1」。その第1回目が8月27日から31日まで、大阪BIG CAT、名古屋DIAMOND HALL、恵比寿LIQUIDROOMと3ヶ所で4日に渡って行われた。メンツはCrossfaith、アメリカのヒップホップ×パンクのハイブリッド2人組Ho99o9、ANARCHY、オーストラリアの新世代ミクスチャー・バンドOcean Grove。最終日は恵比寿LIQUIDROOMでオールナイトで行われ、この4組に加えてさらに多くの出演者が登場した。最終日のオープン前に行われたCrossfaithとHo99o9の対談を紹介しよう。

左から、Teru、Hiro、Yeti Bones (Eaddy)、Tatsuya、Kazuki、Koie、theOGM (BlueFace)

FLJ　CrossfaithとHo99o9の初めての出会いは、昨年の上海のフェスでの共演だと聞きましたが。
Koie　僕らのマネージャーがミーティング・ルームでHo99o9の音楽を聴かせてくれて。スゴくカッコいいと思ったんだよね。それでHo99o9のライヴを観たいと思って。上海のロック・フェスの時に実際に観たら、完全にトバされてしまって。超激しかったし、いい意味でカオスだった。
theOGM (BlueFace)　俺たち自身何が何だかわからなかったよ。上海に行って、ライヴをやって、それで君たちがやってきて。日本に連れていきたいって言われて。実際俺たちも日本に行きたいと思ってたからうれしかった。それでウェブでCrossfaithの音楽や映像をチェックしてみたら、スッゲエクールで。あまりにも素晴らしすぎて、どうやったら共演した時に張り合えるんだろ？って思ったよ（笑）。君たちのやってる音楽はエレクトロニックとメタルのミクスチャーだろ。ファッキン・クールだよ。
Hiro　Ho99o9も超いろいろ音楽をミックスしてるじゃん。
theOGM (BlueFace)　俺たちもそうだけどね。だからこそつながれると思ったんだ。
Teru　Ho99o9の映像を観ると、ドレスとかヤバい格好してて、何なんだ?!って思ったよ。めちゃくちゃカッコ良くて。
theOGM (BlueFace)　相当変わり者だけど（笑）。
Koie　Ho99o9は他のバンド、他のミュージシャンと全く違う。自分たちの音楽に合った自分たちならではのアティテュードを持ってる。世界中探してもこんなバンドはなかなかいないよ。だから出会えて本当に良かったと思ってる。
Hiro　Eaddyにはすでに話したことなんだけど、上海でライヴを観る前って、ステージはもっとヴァイブスがヒップホップだったんだ。あそこで客をコントロールするのってスゴく難しいと思うんだ。だけど、二人のバックグラウンドにはパンク、ハードコアが見えたし、ヒップホップとのミックスがスゴくカッコ良かった。

FLJ　お互いにアティテュード的には同じだってことはすぐにわかったわけですね。
Yeti Bones (Eaddy)　俺たちどちらもスゴくユニークなところから出てきたんだと思うよ。他とは全く違う音楽を作ってるし、境界線なんて超えてしまってるから。単なるメタルじゃないし、単なるラップでもない。異なる音楽のコンビネーションなんだ。グローバルなものだし、そういうものを俺たちは目指してやってるわけだから。
theOGM (BlueFace)　パーティみたいなもんだよ。モッシュ、ジャンプ、ダンスがしたければ全部やればいい。俺たちはどれか一つだけやってるわけじゃないから。音楽っていうものはすべての人たちのためにあるものだし。

FLJ　Crossfaithが今回Ho99o9を日本に呼ぼうと思ったアイデアはどこから生まれたんですか？
Koie　新しい企画のツアーをやりたかったんです。今回のこういう感じのツアーは聞いたことがなかったし、特に日本においてはこういうのは全くなかったから。音楽ジャンルの壁、言葉の壁を壊したかったし、俺たちどちらのバンドも持ってる共通のアティテュードを見せたかったんです。それにこんなカオスってないから（笑）。
theOGM (BlueFace)　間違いないね。
Koie　それに、実際今回ツアーをやってみたら、それこそ初日からスゴいリアクションで。実を言うと、最初はちょっとナーバスだったんです。初めての試みだから、どういうものになるのか予想もつかなかったから。でも初日が終わって、これこそがやりたかったツアーなんだって思えて。

FLJ　ツアー初日から大盛況だったんですか？
theOGM (BlueFace)　初日からヤバかったよ。
Yeti Bones (Eaddy)　初めての国、初めての都市に行った時って、全く勝手がわからないし、客がどう反応してくれるか全く想像できないものなんだ。ブーイングを食らうかもしれないし、愛をもらえるかもしれないし、30分間じーっと見られてるだけかもしれない。だけど初日から最高に良かったんだよ。
Hiro　僕たちは世界をツアーで回り始めたのが6年前で、ヨーロッパ、アメリカ、オーストラリアのファンに会った後に、日本に戻ってライヴをやるといつも奇妙な感覚になってたんです。お客さんはロックのライヴに来てるんだけど、ユニフォームみたいにみんなが同じような格好をしてる。ロックのライヴなんだから、もっと自由っていうものを感じてほしくて。
Yeti Bones (Eaddy)　自分が何者かを知ってほしいわけだよね。
Hiro　だからHo99o9の二人は、日本のお客さんにとって最高の教師になれると思ったんだよね。日本ではカルチャーが音楽と切り離されてて、音楽は単なる音楽になってる。だけど僕が音楽にハマった頃って、音楽にはスケートボードもあったし、パンクとファッションはもっと密接につながってた。だからそれを今の日本に取り戻したいと思ったところもあったんです。そういう意味でHo99o9は完璧なんです。
theOGM (BlueFace)　ありがとう。
Hiro　それで、初日の大阪のショーの後に親父からメールをもらったんですよ。
一同　（笑）
Hiro　親父が会場にいたんですよ（笑）。Ho99o9のライヴが始まった時、異様だなと思ったんだけど、良い意味で異様だったらしいんです。それでHo99o9のことを好きになったんだけど、何故好きなのかわからなかったらしくて。でも今日は楽しめたからありがとう！って送ってきたんです。
theOGM (BlueFace)　いいね！

FLJ　おそらく初めてHo99o9を観た時って、みんな意味がわからないと思うんですよ。でも意味がわからないけれどカッコいいから好きになって、最終的にはHo99o9を受け入れることになる。
theOGM (BlueFace)　みんなラップもパンク・ロックもメタルも好きなんだけど、それがすべて一緒になったものを知らないだけなんだ。だから俺たちが全部まとめてプレイすると、「Oh, shit!」ってなる。
Yeti Bones (Eaddy)　全く新しい経験だからね。

FLJ　初日からヤバかったということですが、プレイし始めてから客の反応はどのようになっていきました？
Yeti Bones (Eaddy)　エネルギーを感じたね。ステージに上がって2秒で、良いライヴになるか、悪いライヴになるかわかるんだ。今回のツアーは毎日ステージに立つたびに最高のライヴになるって確信したよ。
theOGM (BlueFace)　1曲目からきてたね。それに、日本のファンは素晴らしいよ。音楽が大好きだし、ライヴ後も残って写真を撮ったりしてる。もう感謝の気持ちしかないね。
Yeti Bones (Eaddy)　俺たちにとって良いスタートになったよ。
Koie　Ho99o9は完全に客をもってったね。後でインスタグラムを見ても、盛り上がってるし、みんなストーリーに上げてたし、新しいHo99o9のファンがたくさん増えてた。これこそが俺たちが狙ってたことだし、スゴくうれしかったよ。Ho99o9には本当感謝です。
theOGM (BlueFace)　Crossfaithのおかげで俺たちも日本に来れたわけだから、こちらこそCrossfaithには感謝だよ。

FLJ　今回ツアーで共演した他のアーティスト、Ocean Grove、ANARCHYはどうですか？
Teru　どの出演者もテイストが違うのがいいですね。Ocean Groveは、ラップコアのミクスチャー具合がスゴくユニークで、ヴォーカルにエフェクトをかけてるのも面白い。人間的にもスゴくナイスで。ANARCHYは、初めての共演になるんですけど、ANARCHYの音楽は昔から聴いてて。彼のライヴ・ステージはスゴく特別だし、ロックの機材は一切なしで、ラップのみで勝負してるんだけど、完全に会場をロックしてる。
theOGM (BlueFace)　ANARCHYは昨夜は客側のピットの中にいたよ。
Koie　ステージ上でも、「ロックもヒップホップも関係ない」って言ってたし。
theOGM (BlueFace)　スゴく良いハートとエネルギーを感じたね。俺もANARCHYが好きになった。

FLJ　昨日も「自分はバンドでもなく、ラッパーだけど、CrossfaithやHo99o9よりもロックしてる」みたいなことを言ってましたよ。
theOGM (BlueFace)　それこそがアティテュードなんだよ！

FLJ　でもそれくらいANARCHYに火をつけたんですよね。
theOGM (BlueFace)　それがこのイベントならではの良さだと思うよ。
Koie　出演者にはそのくらいの気合を入れてほしい。
theOGM (BlueFace)　共演者全員がライバルだから。
Yeti Bones (Eaddy)　戦闘モードだね。
theOGM (BlueFace)　俺もこいつに言ったよ。「このマザーファッカーはヤバすぎるから、このマザーファッカーに勝たないと」って。Crossfaithはファッキン最高すぎるからだよ。

FLJ　音楽をやる上で最も大切にしていることは？
theOGM (BlueFace)　ハートだね。音楽は俺のハートの中にある。だから音楽は俺にとってスゴく自然なものなんだ。
Yeti Bones (Eaddy)　音楽は人の人生を変えるくらいのパワーがあるよ。俺は4～5年前まで音楽をやってなかったんだけど、常にパンク、ラップ、レゲエといった音楽のファンだった。いくつかのバンドの音楽を聴いて、俺の人生は変わったし、音楽は俺という人間にパワーを与えてくれたし、今の俺のアティテュードを形作ってくれた。
theOGM (BlueFace)　音楽は人を怒らせることもできるし、人をハッピーにもできる。
Yeti Bones (Eaddy)　音楽が世界を動かしてると言えるよ。音楽がない人生なんて考えられないから。
theOGM (BlueFace)　俺たちの地元は、バギージーンズをはいてドラッグを売るようなヤツらがいるようなところだ。そいつらはパンク・ロックなんて聴かない。だから俺たちの仕事はそういうヤツらに音楽を届けることでもあるなんだ。音楽にはいろんな人たちを一つにする力がある。地元にいたら、「あいつ黒人だぜ」なんて言われても、コンサートに行ったら、白人も黒人もアジア人もいる。しかも一緒になって楽しんでるんだ。アーティストや曲がみんなを一つに結びつけることができるんだ。
Hiro　それが本当の意味でのユニティだから。
theOGM (BlueFace)　そう。それこそが音楽の持つパワーなんだ。
Koie　俺はあらゆる感情がアートになると思ってて。俺自身何故音楽を始めたのかわからないんです。俺にとっては友達が一番大切なもので、バンドも俺一人じゃない。俺たちが集まってのアティテュードがあるし、それがCrossfaithだし、俺たち一人ひとりは違う人間だけど、いつも近くにいる。海外にツアーに出ると、いろんなバンドと出会うし、ツアー先でもそこの人たちからもいろんなことを学ぶ。俺にとってバンドでプレイしてて一番大切なことは、人との出会い、人から新しいことを教わることだと思うんです。

FLJ　どちらのバンドも自分たちならではのやり方で異なる音楽をミックスすることによって、全く新しい音楽を生み出したわけですが、自分たちの音楽スタイルを確立する上で重要なキーはありますか？
Yeti Bones (Eaddy)　プッシュし続けて、インスピレーションを受けまくることだろうね。一つ境界線を壊したら、一つ上に行くから。それで他よりも自分の方が前を見ることができる。未来を見据えることが重要なんだ。
Teru　俺たちは俺たちで唯一無二のものをスゴい目指してて。既存のメタルとか型にハマったものにハマりたいって気持ちが元々なくて。純粋にカッコいいなって思うものをブレンドして、俺たちにしか出せないオリジナルなものを作りたいっていうのが一番の単純な動機なんじゃないかな。その上で、音楽を通じて俺たちにしか見せれないライヴだったり、感情だったり、ショーだったりをぶつけたい。俺たちじゃないとダメなんだっていうところが大きいのかな。そういう意味でもHo99o9に惹かれたところはあって。唯一無二のサウンドとパフォーマンスとファッションを持ってるバンドだから。

FLJ　今日はいよいよツアー最終日ですね。
theOGM (BlueFace)　オールナイトっていうのがいいね。客がみんなクレイジーになるだろうから。
一同　爆笑

FLJ　NITROPOLISは第2弾も予定していますか？
Hiro　やりますよ。NITROPOLIS vol.2の出演アーティストで誰かおすすめのバンド、ラッパーはいる？　Brockhamptonとかいいなと思うんだけど。
theOGM (BlueFace)　いいと思うね。今アメリカでスゴく注目されてるから。JPEGMAFIAもいいよ。自分一人でプロデュースもするし、ラップもやるんだ。エクスペリメンタル・ラップで、ハイテンションなんだ。
Teru　バンドは？　ライヴを観てないんだけど、Show Me the Bodyとかは？
theOGM (BlueFace)　NY出身のいいバンドだ。2回共演してるよ。スゴくエクスペリメンタルだから合うと思うな。
Yeti Bones (Eaddy)　Code Orangeとかはどう？
theOGM (BlueFace)　CrossfaithとCode Orange！　ヤバすぎだね。日本まで飛行機に乗って観に行きたいくらいだよ。

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