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Leon Fanourakis

February 01,2021

最先端のフロウの追求に加えて、エモーショナルな歌も披露した意欲作を発表

From FLJ ISSUE 75(1.30.2021)

PHOTO: cherry chill will.
STYLING: Keisuke Kanoh (naked tokyo)

「世界に通用する日本語ラップ」をテーマに活動してきたLeon Fanourakisが、待望の2ndアルバム『SHISHIMAI』をリリースした。今最も勢いのある横浜の新世代のシーンをリードするLeonは、これまでにも、海外の最先端のラップを超えるほどの勢いで、獰猛で高速なフロウを日本語で表現してきたし、それが日本語のラップの新たな次元を切り開いてきた。『SHISHIMAI』では、そういったスタイルに加えて、喜怒哀楽を表現したエモーショナルな曲もあり、2曲では初となる歌のメロディを披露している。客演には、WILYWNKA、JP THE WAVY、SANTAWORLDVIEW、LEXが参加。プロデュースには、JIGG、BULLSET、NOCONOCO、Yusuke Ito (MurderFaktry) 、Classy FamilyのAKI、U-LEE、そして海外からノルウェイのKrissiO、南アフリカのOakerdidit 、アトランタ在住のYung Xanseiなどが参加し、Leonらしいワールドワイドなコラボが実現している。

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FLJ 最初にインタビューをしたのが、2018年のEP『BEAT TO DEATH』リリース時だったので、もう3年近く経つんですね。今は3年前に思い描いた感じになっていますか?
Leon Fanourakis なってますね。最初の作品に比べたら、成長もしてますね。3年前の僕が今にタイムスリップしたら、「エッ、マジで?! 俺何でもできるじゃん」ってなると思います(笑)。

FLJ 2020年4月3日にAK THE SAVIORとのコラボEP『FLATBU$H ¥EN』を出して、4月からAKとのツアーも予定されていましたが、新型コロナウィルスの影響で、大きく予定が変わってしまいましたね。
Leon Fanourakis 本当はNYでライヴをする話も出てたんですけど、なくなっちゃって。日本でもツアーをする話になってたんですけど、それも全部なくなって。アルバムの曲は3曲ぐらい出来てたんですけど、アルバムどうするよ?みたいな感じになって。コロナの期間にガンガン詰めて作ってみた感じですね。

FLJ 『FLATBU$H ¥EN』の取材時には、6月にアルバムを出す予定だっていう話もしていましたが、そこの予定も変わったんですか?
Leon Fanourakis そうですね。自分の心境もあったので。もっと自分が満足いくまでやりたかったんで、けっこうギリギリまでやってましたね。

FLJ 新型コロナウィルスが音楽に与えた影響はあります?
Leon Fanourakis コロナ前までは、毎日パーティみたいな感じで、遊んでた感じはあったんですけど、それが一気になくなったじゃないですか。ライヴもないし、スタジオに入るかって感じになって、自然な流れで音楽を作ることが多くなったので、それはけっこう良かったかもしれないです。いろんな音楽が作れて研究できたので、スゴくいい期間になりましたね。自分がちょっとコロナで落ちてる時期もあったんですけど、いい歌詞も出てきたりしたので。今思ったらプラスにできたと思います。

FLJ 今回は2枚目のアルバムということで、1stアルバムとはまたアプローチも変わったと思いますが。
Leon Fanourakis 内面的なものが出てますね。そういう曲も作りました。今回はいろんな自分を見せたいなと思ったんです。今までの自分らしいものももちろんやるんですけど、今までとはちょっと違うアプローチもやってみたいと思って。それが表現できたかなと思います。

FLJ AK THE SAVIORとコラボEPを作ったことによって、目覚めた部分はありました?
Leon Fanourakis AKとやることによって気づきはありましたね。NYで彼とレコーディングして、一緒にいろいろやったので、レベルは上がったと思います。気持ちも強くなったし。あと、何と言ってもフロウですね。フロウのアプローチはスゴい考えました。そこはだんだん進化してきてる感じですね。

FLJ 元々フロウに関しては、海外の人が聴いてもカッコいいものを日本語で表現したいと言っていましたよね。そこはさらに追求した感じですか?
Leon Fanourakis そこは目指しましたね。どこの国の人が聴いてもカッコいいと思えるものを作りました。だけど今回はちょっと日本人に向けて作ってるかもしれません。海外に向けてというよりも、日本語がわかる人に向けてます。自分の内面も表現してるので、リリックも聴いてほしいなっていう気持ちがありますね。

FLJ 今回は、曲のタイトルもそうですが、強い言葉を軸にして、メッセージとしてリリックにしている印象がありますが。
Leon Fanourakis それはけっこう多いですね。一つ言いたいこと、トピックを決めて、曲を作る、それが聴いてる側にも入りやすいのかなとも思うし。そういう作り方はけっこうしました。

FLJ それにしても表現がどれも強いですよね。
Leon Fanourakis 基本、そうですね(笑)。全部、「行こう!!」って感じです。

FLJ 1stアルバムでは、16曲中12曲がYamieZimmerのビートでしたが、今回はビートも多彩だし、いろいろなビートメイカーを起用していますね。
Leon Fanourakis いろいろなビートメイカーと一緒にセッションして作りました。Yung Xanseiとは4曲と多いんですけど、Yung Xanseiからいっぱい送ってもらった中から、自分でチョイスして作りました。Yung XanseiはFLJの撮影の時にcherry chill will.さんから紹介されたんですよ。Yung Xanseiとはこれからもいろいろやっていきたいです。一緒に会ってセッションしてみたいですね。

FLJ いろんなビートを乗りこなしている印象がしましたが、そこはやりたかったことですか?
Leon Fanourakis やりたかったですね。今まで出してきた曲はどれもハードで、1パターンっていう感じがしたんで、そこにひねりを加えてできたらいいなと思って。だから、ビートのバリエーションみたいなものは考えましたね。基本のスタイルは一緒なんですけど。

FLJ ビートメイカーはいろいろな国のいろいろな人がいますが、自分から一緒にやりたいと思ってアプローチした人はいますか?
Leon Fanourakis JIGGさんはそうかもしれません。JP THE WAVYさんが一緒に作ろうよっていう話になった時に、JIGGさんがいいよみたいなことを言ってくれて。僕はJIGGさんとはあまり会ったことがなかったんですけど、初めてWAVYさんと一緒にセッションしたら、スゴくいい感じにできたんです。JIGGさんはアイデアもいっぱいあるし、いろいろ言ってくれるので、スゴいやってて楽しかったんです。

FLJ 1stアルバムの時から、ビートメイカーとセッションしながら作っていくというやり方には変わりはないんですね。
Leon Fanourakis そうですね。そっちの方がいいものが出来るかもしれません。「Better Now feat. WILYWNKA」という曲は、一人でじっくり考えて。基本はセッションである程度固めて、自分のスタジオでもう少し練る、そういうのが多かったりしますね。

FLJ 特にセッションを楽しんだ曲はありますか?
Leon Fanourakis けっこうどのビートメイカーともストーリーがありますね。NOCONOCOくんは横浜でやってるビートメイカーなんですけど、何回もスタジオに遊びに行ってて。ピアノも弾けるし、スゴくヴァイブスも合うんですよ。それで一緒に作った「FALL」という曲は、歌系にして、オートチューンでやりたいですってなった曲なんです。オートチューンはそれまでもやってたんですけど、なかなかいいのが出来なくて。この曲はオートチューンで初めていいなと思えた曲ですね。NOCONOCOくんと練って、いいものが出来た感じですね。

FLJ 「FALL」は新境地じゃないですか。
Leon Fanourakis 「エッ、これLeon?!」って感じですよね(笑)。

FLJ 歌モノはやってみたかったんですか?
Leon Fanourakis 普通にメロディがある曲も俺は好きなんで。やってみたかったって言えばやってみたかったし。何よりも、その曲を作ってた時、恋をしてたんですよ。この気持ちを音楽に落とし込みたいなっていうのがあって。それが上手く表現できたから、俺の初のラヴソングになりましたね。

FLJ 「FALL」だけでなく、アルバム1曲目の「ZEKKOCHO」でもメロディを歌っていますね。
Leon Fanourakis 「ZEKKOCHO」はU-LEEさんとのセッションから生まれましたね。U-LEEさんのビートはトラップではなく、もっと実験音楽的な感じで、スゴい角度からいい感じのセンスを持ってきてくれるんです。「Leon、このビートでちょっと歌ってほしいんだよね」って言われて。「うわ、マジか。やってみます」ってなって。ちょっと時間がかかりましたけど、やってみて、いいのが出来て。展開もいきなり変わるじゃないですか。そういうのもスゴく好きで。U-LEEさんとは一緒にやってて楽しいですね。

FLJ アルバムの1曲目からいきなり歌っていたので、ビックリしました。しかも甘い歌声で歌っているリリックがいきなり「Fuck the law」ですからね。
Leon Fanourakis 「Fuck the law」だと思ったんですよ(笑)。絶好調でブチ上がって楽しもうぜっていう曲を作りたかったんです。それが形になりましたね。

FLJ 先ほど表現がどれも強いっていう話をしましたけれど、1曲目から「絶好調」ですからね。
Leon Fanourakis 最初から絶好調ですね(笑)。でも、AKIというビートメイカーと作った「NANIMONO」っていう曲はまた違ってて。AKIはClassy Familyのメンバーで、よく自分のスタジオに遊びに来てくれるし、けっこうセッションしてて、その中で出来た1曲なんです。その時、ブラック・ライヴズ・マターのムーブメントが起こってて。俺はみんなが抗議とかデモをしてる理由が最初わからなくて。でも差別というものを自分の視点で考えてみて、頭に入れて、言いたいことを言って作ってみた曲なんです。

FLJ リリックも「ニセモノ/のけもの/ホンモノ/何者」と、スゴくシンプルな言葉で突いてきますね。
Leon Fanourakis ニセモノとかホンモノとか言うよりも、結局は自分が何者かが一番大事でしょ。そういうことが言いたかったんです。

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FLJ LEXが「CHAMPION feat. LEX」、「MOON feat. LEX」の2曲で参加していますが、LEXとのつながりは? LEXは藤沢出身ですが、Only Uとリンクしてから横浜に来るようになったと言っていましたが。
Leon Fanourakis 俺がYamieZimmerのEP『WhoWillKnow』、『YouWillKnow』を作ってる時に、LEXはCRIBとかによく遊びに来てたし、THE BRIDGE YOKOHAMAのイベントでもスゴいかぶってたんです。ずっと同じところで遊んでたんですけど、LEXと俺は会って話すことがなくて。2019年からかな、ちゃんと話すようになって、ちゃんと遊ぶようになって。自分たちの聴いてるところもマジで超似てるし、マジで音楽センスがあるし。「スタジオ入ろうよ」って言って、何回か作って、初めてLEXの家で曲を作ったのが「CHAMPION feat. LEX」です。

FLJ LEXとの相性はめちゃくちゃ良いですね。
Leon Fanourakis 「めっちゃいい感じに混ざろうぜ」って言いました(笑)。

FLJ LEXもフックで「横浜勢止まる気ねえわ/ぶちかますついてこれんか」って歌ってて、ちゃんと横浜のつながりを出してきていますね。横浜のことを聞きたいんですが、前に横浜の上の世代はけっこう年が離れているって話していたので、割と自分たち世代で今のシーンを作った感覚はあるのでしょうか?
Leon Fanourakis そうですね。だからLEXも、スゴい「横浜」って言ってくれてるし、横浜の色みたいなものを新しい感じにしようとしてくれてるし、俺らサイドみたいな感じが強くなってきてますね。で、今の横浜はralphもいるじゃないですか。ガツガツラップをやるようなスタイルで。けっこう横浜のスタイルが確立されてきてるなって思いますね。

FLJ 最初はYamieZimmer & Friendsあたりから、横浜のラッパーのキャラが出てきた印象ですが。
Leon Fanourakis そうそう。元祖が俺らだったら超うれしいですよ。でもまあ俺はそれを信じてます。

FLJ 今の横浜は下の世代だけでなく、他の街からもラッパーが集まっていますよね。
Leon Fanourakis それはめちゃ感じますね。横須賀のラッパーとかも、フロウを聴いたら、ちょっと意識してるところの目線は近いものがあるのかなって思うし。

FLJ 何かの曲のYouTubeのコメントで「もう日本の首都横浜にしません?」ってありましたね(笑)。
Leon Fanourakis それ、Ralphと俺の曲(ralph × Leon Fanourakis「what’s your name?」)の曲のコメントですね(笑)。そういうのもめっちゃうれしいです。もっともっと自分たちでカッコいい横浜にできたらいいですね。

FLJ 「BEAST MODE feat. JP THE WAVY」はどのようにして生まれたんですか?
Leon Fanourakis WAVYさんとは、俺が曲を作りたいですって言ったんです。WAVYさんのバックDJのゴンくん(GONZALEZ)とはけっこう会ってて。「WAVYと曲作ってよ」みたいに言ってくれて。WAVYさんとやってみたいなと思ってたんです。僕自体はWAVYさんとあまり面識がなくて。SUMMER BOMBとかで会った時に、曲を作りましょうって話をして。そこから本格的に作るぞってなって、初めてセッションしたんです。ちゃんと話すようになったのはそこからですね。WAVYさんはスゴい優しいお兄ちゃんです。

FLJ 「BEAST MODE」というワードはどんな感じで出てきたんですか?
Leon Fanourakis JIGGさんのビートはセッションする前にもらってて。とりあえずフックを作ろうと思った時に、「BEAST MODE」がいいなと思って。そのワードから自分で作っていって。自分はリリックは半分のフックと自分のヴァースをある程度作って。そこからWAVYさんとのセッションだったんですよ。WAVYさんに「「BEAST MODE」と「BASSがDROP」で、同じワードで踏みたいんですよ」って言ったら、いい感じにやってくれましたね。

FLJ 「雄叫びあげてBEASTに変身」って、この曲の言葉も強いですね。「KIMEROYO」っていう曲も、タイトルからして「決めろよ」ってスゴく強い言葉だし、ヴァースの最初の「いっせいのせいで走り出した」から「いっせいのせい」でどんどん頭で韻を踏んでいく感じもスゴいですね。
Leon Fanourakis 面白いですよね。あの曲はけっこう古くて、1年前ぐらいの曲なんですけど。けっこうスピード感とか、めっちゃハイプな感じがスゴく好きで、今回入れました。

FLJ このアルバムの中で、自分的にフロウの聴きどころはどれになりますか?
Leon Fanourakis 「YORI DEKAKU」のフロウは好きですね。いい感じでアプローチできたかなと思います。あと、オートチューン系でLEXとやってる「MOON feat. LEX」は、けっこう低い声のオートチューンで、ラップとオートチューンを混ぜたみたいな感じで、けっこうイルな感じで出来たから、スゴい好きですね。自分の中でもヘビロテしてます。「Better Now feat. WILYWNKA」も、フロウもリリックも好きで、けっこう俺はリピートしてますね。

FLJ 「Better Now feat. WILYWNKA」は、昔のこととか心情を綴っている感じで、異色の曲ですね。
Leon Fanourakis そういう曲は今まであまり出してきてなかったので。そういう意味ではいいかもしれないですね。

FLJ この曲は、大切なのは今だから今やれよって、やっぱり強くメッセージを出していますね。
Leon Fanourakis ああ、でも大体そうなるっていうか、リリックはけっこう自分に向けて言ってるんですよ。人に向けてというよりも。何か自分に問いかけてることの方が多いかもしれません。だから「What did you say!?」とかは、ネガティヴな自分がいて、怠けてしまうような自分がいて、だけどちゃんとやっておきたいよっていう自分もいて。だから自分を否定するというか。自問自答というか。自分の嫌なところを見つけたら、そこを言ってみたり。敵は他じゃなく、自分が敵だなみたいなことを言ってみたり。そういうのをリリックにしてますね。

FLJ ということは、ストレートに強い言葉を出すというよりも、自分の中でいろいろ葛藤があった上での強い言葉なんでしょうか?
Leon Fanourakis 葛藤はめちゃくちゃありますね。葛藤があった上で作ってます。悩むのは嫌なんですけど、その悩む時間も大事なのかもしれない。

FLJ 曲作りはけっこうこねくり回すタイプですか?
Leon Fanourakis けっこうこねくり回しちゃいますね。「あ、これは違うかも」ってやることが多いかもしれません。だから、1曲に時間をかけてるかもしれませんね。まあ、かけない曲もあるけれど。基本、満足するまでやっちゃいますね。今回のアルバムも、満足するまで何十回もかけました。「Tryna Be The G.O.A.T feat. SANTAWORLDVIEW」とかは、エンジニアの人にミックスを63回やってもらいました。音も良くしたかったので、そこは前のアルバムよりもめっちゃ進化してると思います。

FLJ ファンがどんどん増えてきて、ライヴでもたくさんの人が来るようになった今、聴き手を意識して音楽作りをやっている部分はありますか?
Leon Fanourakis やっぱり心境は前とは変わってますね。1stアルバムは1年半前だし、その前に録った曲だと、2年前、3年前の曲もあるんですよ。そういう意味ではだいぶ大人になったかもしれないですね。

FLJ どういうところが大人になりました?
Leon Fanourakis 人をディスる曲はあまり書かなくなりましたね。聴いたら、「怒ってるわ」ってなるじゃないですか。聴いてる側はあまり面白くないなって思うんですよ。その怒りをもっときれいな方向に、みんなが聴いて楽しい方向に持っていけばいいかなと思いましたね。激しい気持ちには変わりがないんですけど。

FLJ それで「絶好調」とか「よりデカく」ってなっているんですね。
Leon Fanourakis そうです(笑)。みんながモヤモヤした気持ちを持ってて、俺の曲を聴いたら吹っ飛んだって言ってくれたら、うれしいですね。気分を変えられるような音楽を作れたらスゴいうれしいです。

FLJ でも前からそういうことを言っていますよね。1年半前の1stアルバムのインタビューの時も、「若い人のマインドを変えていけたらいいな」って言っているんですよ。
Leon Fanourakis そっか。俺の考えてることは前と変わってないんですね(笑)。

FLJ 自分の中で大切にしている部分は変わっていないですか?
Leon Fanourakis 3年前だったら、「俺の大切にしてるものはフロウです」ってなってたんですけど、大きく考えた時に、音楽は感情になるから、感情をどれだけ気持ち良く音に乗せて表せるっていうのをスゴく考えるようになりましたね。今はそこを大事にしてます。もっとヤバいのができると思いますね。

FLJ 歌も気持ち良く音に乗せられたから、もっとやっていきたいですか?
Leon Fanourakis 歌もやりたいですね。だけどもっとヒップホップにやりたいです。俺はもっともっとヒップホップにしたいですね。

FLJ ラップと歌では声が違うのも良かったですね。
Leon Fanourakis たぶんいつも歌ってる声じゃないから、みんなにとっては新鮮なんじゃないかな。僕も歌はまだ手探りな部分は多いですけど。無限大に広がってますね。いろんな感じでやりたいんです。自分のスタイルは超ヒップホップだっていうのが自分の中ではあるけれど、「あ、こういう感じもできるんだ?」みたいなことをやりたいです。

FLJ 1stアルバムのタイトルが『CHIMAIRA』で、獅子のいろんな面を出そうという意味合いでしたよね。今回、アルバム・タイトルを『SHISHIMAI』にした経緯は?
Leon Fanourakis それは元々決まってて。2020年の頭ぐらいから決まってたんです。獅子舞って、獅子がブチ上がってるイメージだから。いろんな感情の中で、舞っていこうっていう気持ちを込めましたね。でもそれって、『CHIMAIRA』も同じだから、俺が考えてることは昔から一緒なのかもしれない。

FLJ やっぱり昔からあまりブレていないんでしょうね。もちろん、アーティストとして進化している部分もあるのですが。
Leon Fanourakis だから、いろんな人とセッションして、いい音楽を作りたいですね。これからもずっと音楽に触れていたいです。10代の時よりもスタジオに入る期間が少なくなることもあるんですけど、初心を忘れずに、音楽の楽しみをもっともっと自分の中で増やせていけたらなと思いますね。

FLJ 1%のレーベルメイトのWILYWNKAとも共演した曲「Better Now feat. WILYWNKA」はどうでした?
Leon Fanourakis WILYWNKAくんにはちょっと内面的な曲が似合うなと思って。俺が1ヴァース、1フック書いたところで、あまり説明とかはしてなかったんです。スタジオに入る時に、「リリック、どういう感じかわかりますか?」って言ったら、「わかるで」「昔は当然良かったけど、今の方がいいよな、みたいな。そういうことでしょ?」って。自分のもっと深いところからわかってくれてて、それでリリックを書いてくれたんです。WILYWNKAくんの歌詞も俺は気に入ってます。WILYWNKAくんとは初のセッションなんです。

FLJ 他の曲についても聞きたんですが、「Tryna Be The G.O.A.T feat. SANTAWORLDVIEW」はどのようにして出来た曲ですか?
Leon Fanourakis この曲はSANTAWORLDVIEWと作ったんですけど、ちょうど1年前に作った曲で。けっこうノリ感がスゴく良くて。一番調子乗ってけっていうのがテーマですね(笑)。「Tryna Be The G.O.A.T/じゃなきゃ俺イヤ」ですから。

FLJ 「HOT SAUCE」では、ホットソースを「舐めてみると怪我する」という刺激に例えていますね。
Leon Fanourakis ドリル系でやったのはこの曲が初めてなんですよ。6月に大阪に遊びに行った時に、BULLSETさんとスタジオでセッションして。「ビート、カッコいいのがあったら、録ってっていいよ」みたいに言ってくれたので。その中から1曲選んで作った曲です。

FLJ 「NO LIGHTS」と「TOBASE!」は2020年8月に、1年振りのソロ名義の曲として発表していますが、何か出すタイミングはあったんですか?
Leon Fanourakis もうそろそろソロを出したいなって突然思ったんです。「NO LIGHTS」は、真っ暗って良くね?って思って作った曲なんですよ。女の子とやる時も真っ暗だし、真っ暗イコール誰にも見つからない、真っ暗イコール何でもやりたい放題、真っ暗イコールお化けって、そういう感じでいっぱい出てきたんだす。「NO LIGHTS」からだんだん膨らませていったら、結局Fucked upの曲になってしまったんですけど(笑)。

FLJ でも、「死ぬ気で遊んでけ」とか、「一度の人生かけろ」とか、けっこうポジティヴに強い言葉を出していますよ。一方で、「TOBASE!」は、「あの子はHoe yes/ケツ振る上下/That bitch love *****」の後に、最後にボソッと「もうハマっちまいそうです」って歌っている感じがヤバいですね。
Leon Fanourakis (笑)俺はけっこうファニー・ラインを置いてるんですよ。堅いことばかり言ってたらつまらないじゃないですか。面白いことも言っておかないと。

FLJ 「KAGE」は前向きな曲ですね。
Leon Fanourakis かなりポジティヴな曲ですね。それこそ落ち込んでた時に書いた曲かもしれません。後ろは崖で、後ろに影がついてて、目の前に壁もある。だけど楽しんで企んでくださいっていうポジティヴな曲に仕上げました。

FLJ この曲もそうですけど、いろいろ困難があったとしても、ポジティヴな方向に向けているものが多いですね。
Leon Fanourakis 確かに、困難があってもポジティヴに生きろっていう曲が多いかもしれないですね。それは自分が一番ネガティヴな気持ちがわかるから、こういう曲が出来るんだと思うんです。ポジティヴでヴァイブスがないと何も面白くないし。ヴァイブスが大事だぜっていうことですね。自分でも音楽をやることによって解放される部分もあるので。

FLJ 今回けっこうボツにした曲があったそうですが。
Leon Fanourakis 5曲ぐらいボツになったり、自分でボツにした曲がありますね。今回YamieZimmerの曲が入ってないじゃないですか。YamieZimmerの曲も入れたかったんですよ。YamieZimmerは今年中にたぶんアルバムを出します。YamieZimmerには隠し持ってるタマがあるんですよ。「横浜勢止まる気ねえわ」って感じです(笑)。

FLJ 今回、曲に少しわかりやすさも出たんじゃないでしょうか。
Leon Fanourakis 確かに。みんなにリリックが「わかりにくい」って言われてたから。「Leonのリリックって口ずさめないじゃん」、「「BOUNCE」だけだよね」ってよく言われたんです。でも、「確かに。俺だって歌詞を忘れるぐらいだし。口ずさめないな」と思って。だから、ある程度口ずさめるようにっていうのは、脳みその片隅に置いてたかな。超わかりやすいか?って言われたらそうでもないかもしれない。でも、「YORI DEKAKU」とかはわかりやすくしたかな。

FLJ あと最近、客演の方はどうですか? Hideyoshiの「Jitsuryoku ft. Leon Fanourakis & ralph」とか、ralph × Leon Fanourakisで「what’s your name?」などをやっていますが。
Leon Fanourakis 客演は多いですね。2021年はNY、フロリダのヤツとやったり。けっこう海外の人のフィーチャリングが出てくると思います。

FLJ 引き続き海外に向けてもやっていきたいですか?
Leon Fanourakis そうですね。でも日本語ラップのファンに向けてまずは確立させたいなと思ってて。もちろん海外とのヤツもやるんですけど。ガンガン両方、いい感じで攻めていけたらいいなと思ってます。

FLJ 最初に言っていた、今回ちょっと日本向きにしたっていうのは、そういうことなんですね。
Leon Fanourakis そうです。そこは日本のファンに寄せたかもしれません。やっぱり自分は日本語で歌ってるじゃないですか。そこに感情的に入り込める人は日本人だから。それはまだやったことがなかったから、今回は見せたかったですね。もちろん海外にも進みたいんですけど、まずは日本ですね。今回は前のアルバムよりも確実に英語が減ってるんです。ほぼほぼ日本語になってると思います。

FLJ 日本語でカッコ良くやるということに関しては、まだ他の人がやっていないことがあるから、そこはやりがいがありますよね。
Leon Fanourakis それはありますね。それに、周りにいるSANTAWORLDVIEWとか、日本語で超フリーキーなフロウをするから、そういうのもスゴいヤバくて。「ヤベエ!」って言いながら、刺激になってますね。周りにそういうのがいるから、俺もヤバいのをやりたくなりますね。もっともっと面白くしていきたいです。

FLJ 将来設計は?
Leon Fanourakis 2020年は4月から全くライヴができなかったから、今年はこのアルバムでツアーをガンガンやっていきたいですね。もっとガンガンアクションしていくようにやりたい。遠い目標だったら、カリフォルニアでプール付きの家でゆっくりできる老後を過ごしたいですけど(笑)。今はアルバムをガンガン作っていきたいですね。今年はもう1枚作りたいし。

FLJ 音楽活動以外にやっていきたいことはあります?
Leon Fanourakis 音楽以外は全然興味がないですね。でもグッズの方は、洋服、アクセサリーのアイデアを考えてます。今、水面下でそれをやってます。

FLJ 音楽一筋というか、ヒップホップ一筋ですか?
Leon Fanourakis ヒップホップ一筋です。俺はもっとヒップホップを追求しますよ。日本のヒップホップをさらにカッコ良くしたいし、自分にしかできないことをガンガンやっていくしかないなと思ってます。



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『SHISHIMAI』
(1%)
1月22日配信リリース

01. ZEKKOCHO (Prod. U-LEE)
02. What did you say!? (Prod. JIGG)
03. Tryna Be The G.O.A.T. feat. SANTAWORLDVIEW (Prod. Yung Xansei & thats not it)
04. CHAMPION feat. LEX (Prod. Oakerdidit)
05. HOT SAUCE (Prod. BULLSET & TIGAONE)
06. KIMEROYO (Prod. Yung Xansei & Bl$$d)
07. BEAST MODE feat. JP THE WAVY (Prod. JIGG)
08. YORI DEKAKU (Prod. Yung Xansei & Clint Ford)
09. TOBASE! (Prod. Yung Xansei)
10. NO LIGHTS (Prod. rocktee)
11. MOON feat. LEX (Prod. MurderFaktry)
12. KAGE (Prod. GHXST)
13. NANIMONO (Prod. AKI)
14. Better Now feat. WILYWNKA (Prod. KrissiO)
15. FALL (Prod. NOCONOCO)

Leon Fanourakis “SHISHIMAI” CLUB TOUR
1/29(金)名古屋 ORCA
COMING SOON… 京都 CHAMBERS
2/13(土)仙台 SQUALL(DAY)
2/20(土)土浦 GOLD
2/22(月・祝前)横浜 BRIDGE
2/26(金)広島 L2
2/27(土)神戸 BRIDGE
3/5(金)札幌 UTAGE
3/13(土)新潟 SEVEN
3/20(土)富山 MAIRO



Leon Fanourakis
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