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TURNSTILE

March 30,2018

ハードコア界の救世主、自由な音楽性をさらに広げた新作をリリース

From FLJ ISSUE 59(03.30.2018)

2010年結成、新世代ハードコア期待の星、メリーランド州ボルチモア出身のTurnstile。ヴォーカルを務めるのはTrapped Under Iceのドラマー、ブレンダン・イエーツ。これまでに2枚のEPと1枚のアルバムをリリースし、2015年には初来日も果たした彼らが、今年ロードランナー移籍第1弾となるアルバム『Time & Space』をリリースした。ファストな曲からブレイクダウンまでグルーヴを次々展開させ、メロディもポップ・センスも抜群、音楽のレンジも広く、その自由な発想でハードコアという音楽の可能性を思いっきり感じさせてくれるバンドなのだ。この新作では何とディプロまで参加! ブレンダンに話を聞いた。

FLJ 今回、アルバム『Time & Space』を作るに当たって、どのようなアイデア、コンセプトがありましたか? 前作の『Nonstop Feeling』からの変化は?
ブレンダン このアルバムは、僕の人生の中にある様々なアングルから見たものが反映された、スゴくパーソナルなものなんだ。音楽的に言えば、Turnstileらしいエネルギーに溢れたものにしたかったんだけど、必ずしも前作の『Nonstop Feeling』の延長線上になくてもいいと思ったんだ。メロディも増えてるし、前よりも速い曲もあるし、前よりもスローな曲もあるし、パーカッションも増えてるし、よりロックな内容になったと思うね。

FLJ メンバー全員がバックグラウンドとして持っている音楽のテイストが大きく広がったようなサウンドになりましたね。キーボードが自然に曲に溶け込んでいるのも、普通のハードコアにはない感じだと思います。そういうパンク、ハードコア以外の音楽要素は曲作りにけっこう入ってきましたか?
ブレンダン とにかく、自分たちが受けてきた影響を狭めたくなかったんだよね。すべてのものに影響を受けてきたし、メンバー全員が様々異なるものにインスピレーションを受けてきたわけだから、僕はTurnstileの音楽を、そういう幅広いレンジのインスピレーションを反映したものにしたかった。だから、いい感じだと思えるアイデアは何だって大歓迎なんだよ。それがキーボードであれ、ワイルドなパーカッションであれね。

FLJ Sheer Magのティナ・ハラデイが「Moon」という曲でゲスト参加していたり、タニカ・シャーレがインタールードの「Bomb」で歌ったりしていますが、彼女たちが参加することになったいきさつは?
ブレンダン こういうクールなことって、大体ごく自然に起こるものなんだ。レコーディングはフィラデルフィアの近くでやってたんだ。「Moon」はベースのフランツの声を入れてちょっといつもと違う感じを出してみたかったんだ。そしたらもう一人別の声を入れたくなってね。それでティナがやってきて、1曲歌ってくれたんだ。彼女は最高だし、僕はSheer Magのファンだから、一緒に曲をやれて最高だったよ。タニカはプロデューサーのウィル・イップが友達で、ウィルがつないでくれたんだ。タニカの声はあの曲にスゴく合うんじゃないかって思ったんだ。二人ともスゴい才能の持ち主だよ。

FLJ 「Right to Be」という曲では、ディプロが参加していて驚いたんですけど、ディプロとはどのようにしてつながったんですか?
ブレンダン これもごく自然に起こったんだよ。ディプロとはこの2~3年やり取りをしていて、ディプロは僕たちのバンドを称賛してくれてたし、僕たちもディプロに称賛の気持ちを表してたんだ。お互いのリスペクトはスゴくあったんだよ。「Right to Be」を作ってる時に、この曲のあるパートで、ワイルドなレーザー・サウンドが欲しいなって思うところがあったんだ。それでディプロに連絡したところ、やってくれるってなって。結果あの曲が生まれたってわけさ。

FLJ 今回のアルバムが出ることによって、Turnstileがハードコアを救ったっていう意見をあちこちで聞きますが。
ブレンダン (笑顔)

FLJ ブレンダンにとってハードコアとは?
ブレンダン 難しい質問だね。ハードコアのない人生なんてあり得ない。表現の自由だよ。

FLJ 新しいことにチャレンジすることに対する恐れはありますか?
ブレンダン 何の恐れもないね。このバンドをどういう風に見られたいのかっていうのは、それこそ僕という人間がこうやって生きてて見えてる見え方と変わらないと思うんだ。僕は何をやるにしてもプログレッシヴでいたい。常にプログレッシヴであり続けたいんだ。だからと言って、自分という人間を変える必要もないし、自然に成長していきたいんだ。それはバンドも同じこと。自分たちのために音楽をやってるし、自分たちが正しいと思うアイデアを爆発させたいだけなんだ。

FLJ 今回、ブレンダンは前にも増してメロディを歌っているし、歌い方もいろいろなアプローチをしていますよね。
ブレンダン メロディをもっと歌おうって心がけたからね。自分が歌ってる内容も合わせてより多くのメロディを込めたんだ。そこは自分自身にハッパをかけたつもりだよ。音楽的にもいろいろなやり方でできるように進歩できたのは自分でもうれしいね。

FLJ 今回の曲のリリックのアイデア、インスピレーションは?
ブレンダン このアルバム全体を貫くテーマは、別離なんだ。別離っていうのは、良い意味でも、悪い意味でも、ものごとをクリアにして成長するには必要なことだから。

FLJ 今回のアルバムはロードランナーからのリリースになりますが、ロードランナーと契約したいきさつは?
ブレンダン 2~3年前の『Nonstop Feeling』を出す前に、ロードランナーは僕たちに連絡をしてきたんだ。その時はまだ付き合いがあまりなかったから、『Nonstop Feeling』は自分たちで制作して、Reaperからリリースした。でもその後、ロードランナーとの付き合いも自然と積み重なって、スタッフとも友達になって、多くの時間を割いてアルバムを出す話をすることができた。彼らは僕たちのアイデアをちゃんと聞いてくれて、ハンパなくヘルプしてくれたし、僕たちのイメージしたものがきちんと形になるように、素晴らしいリソースを提供してくれたよ。

FLJ 今年2018年の今後の予定は?
ブレンダン 今までに行ったことのないところに行って、ライヴをやりたい。音楽を作り続けたいし、自分たちのレーベルからも音楽を出していきたいし、とにかく活動をずっと続けていたいね。

FLJ 前に日本に行った時の思い出は?
ブレンダン NUMBと共演したこと、素晴らしい友達とたくさん出会えたこと、毎日ファミリーマートで買ったデザートを食べたこと、奈良公園の鹿は良い思い出だね。京都も好きだな。

FLJ 日本に来る予定は?
ブレンダン 2018年には実現させるよ。

FLJ 日本のみんなにメッセージを。
ブレンダン I love Tome.


『Time & Space』
(Roadrunner)
2/23リリース

http://turnstilehardcore.com

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