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SHADOWS

June 14,2017

新たな影を作り出す明かりとなるべきファースト・アルバムが完成

PHOTO: Jesse Kojima

From ISSUE 54 (05.31.2017)

SHADOWS待望のファースト・アルバム『illuminate』がついに完成した! シンプルにカッコいいものを作るというテーマの中で作られた今作は、メンバーが思うカッコいいものの集大成といえるアルバムになっている。決して楽ではなかったという制作期間は、1段階も2段階もバンドを上のステージへ上げるステップになったことは間違いないだろう。そして、今までSHADOWSの影にチラついていたFACTの影を完全に消し去り、SHADOWSとしてより濃い影を作り出すための明かりとなるはずだ。最新作『illuminate』についてSHADOWSに話を聞いた。

FLJ 1st EP「Progress」は、3人が若い頃に一番衝撃を受けた’90年代のパンクが自然な形で出てたと言っていましたが、今作の『illuminate』を作るにあたってコンセプトはあったんですか?
Kazuki ただカッコいいものを作ろうっていう中で、「それいいね!」っていうものが集まった感じですね。何がカッコいいのかっていうのも改めて考えたし、基本は自分らがカッコいいと思えるものの集大成です。

FLJ 新しくアプローチしたことはありますか?
Kazuki 今回はエンジニアの山中がメロディや曲のアレンジに意見をしてくれて、山中を加えて作った曲もたくさんありますね。録りながら作っていったっていう言い方が正しいのかもしれないけど、その中で山中のアイデアも組み込まれてたりしますね。

FLJ じゃあ山中がプロデューサー的な立ち位置にいたんですね。制作は順調でしたか?
一同 いや~(笑)。
Kazuki ず~っとスタジオにいたね。難航はしてたけど、振り返るといつもこんな感じだったなって気もするし。
Hiro 3ヶ月くらいいたね。
Kazuki 今回初めてやったことといえば、ギターから録り始めたってことかな。ドラムを最後にして。
Hiro いつもと逆だったよね。
Kazuki 曲は基本的にギターで作るから、ギターのアレンジはそこそこできてたんだけど、曲としてのアレンジはヴォーカルが乗ってから変わってきたりするから。ドラムのフィルやいろんな面で先にドラムを録っちゃうと、後で変更するのは難しいから。ギターとは違って。

FLJ 実際にその録り方をしてみてどうでしたか?
Takahiro いわゆるデモを作る時と同じ録り方ですよね。ギターから録るっていう。
Kazuki ギターの音色に合わせて、ドラムの音色をチョイスしやすくなったりできたのは良かったかな。本来どっちの録り方が正しいっていうのはないと思うんだけど、ただ、今まで十何年バンドをやってきて初めてこういう録り方をしたなって(笑)。
FLJ 今回もスゴく速くてヘヴィーで、SHADOWSの音楽がこれでもかって感じで出てますよね。
Kazuki 1曲目は速い曲で。2曲目も速いヤツで(笑)。
一同 爆笑

FLJ でも、9曲目の「Homes To Stay」や10曲目の「Sirens」では一味違った一面も見せてますよね。
Takahiro 速い曲がこれだけあるから、遅い曲はこれくらいは作ろうっていうのはザックリとはあって。
Kazuki でも、狙ってそういう曲を入れたっていうよりは、結果的にそうなったっていう方が正しいかも。

FLJ ああいう曲調の曲が入ってくると、速い曲やヘヴィーな曲がより引き立ちますよね。
Hiro 速い曲が好きなバンドで、速い曲しかやらないバンドってあんまりいないと思うんですよ。それの究極版だと思うんですよね。「速いのはもう大丈夫! カッコいい曲ある!」って。前作のEPの時もそうだけど、速い曲があって、特徴的な曲があって。それがいつも俺らの良さとして出てるんじゃないかなと思ってます。
Kazuki SHADOWSを知ってくれてる人で、アルバムが出るっていうのを楽しみにしててくれて、それで速い曲がなかったらヘコむなって(笑)。
Hiro 俺でもヘコむ(笑)。

FLJ アルバムのタイトルの「illuminate」というのは、SHADOWSの「影」という言葉の意味とは対照的な言葉だと思うんですが。
Hiro みんなから対照的な言葉がいいって意見が出てきてて、レコーディング中にこの「illuminate」っていう言葉が出てきたんです。照らすものがあるから影が作られるっていうか。お客さんみんなに照らしてほしいっていう意味も込めて付けました。

FLJ 歌詞で使われる言葉やフレーズはスゴく強い印象のものが多いけど、全体としては聴く人や読む人によって解釈が変わってくる内容だと思うんですが、そこは狙って書いてるんですか?
Hiro 基本的に歌詞ってそうじゃないですか。その人が本当に伝えたいことがそれなのかって言ったらそうじゃない。聴く人の解釈で変わってくるから。でも、それでいいと思うんですよね。結局は自分が思ってることを書いてるだけなので、それ自体にメッセージ性はほとんどないんですよ。それを聴く人なりに解釈してもらって、自分なりの意味を付けてもらえたらうれしいなと思ってます。

FLJ この3人が一緒に活動していることで、前作のEPまではどうしても頭のどこかにFACTの影みたいなものがチラついていた気がするんですが、今作を聴くと、そんなことはもうどうでもいいような、完全にSHADOWSとしての音楽を確立されてるなと思って。そこら辺はみなさんどう感じていますか?
Kazuki 特に意識はしてないですね。FACTの時から俺らが曲を作ってて、その時と作り方はあんまり変わってないし、作りたいものもそこまで変わってないし。
Takahiro ただ、昔よりはギターの音数は減らしてる気はするかな。
Kazuki よりシンプルな感じになってる気はするけど、例えば、FACTを続けてたらそうなってないのか?って言われたらそれはわからないし。でも、「SHADOWSとして」っていう意識はあんまりないかもしれないですね。俺ら3人がバンドをやって曲を作るならこうなるっていう、スゴくシンプルな感じですね。

FLJ ライヴを観てても、バンド感というか、音の一体感みたいなものはスゴく強くなってますよね。
Kazuki リズム隊の二人もスゴい優秀だし、バンドとしてはスゴく成長してるなと思いますね。まだ始めて1年だけど、いろんな人に手を貸してもらっていろんな経験をさせてもらって。何とか1年持ったっていう言い方はおかしいけど、後ろに下がることなく前進して。今年もやる気だし。その辺が空気的にいいかなって。何が足らないっていうことじゃなくて、やるしかないっていう。
Hiro 一番の違いはそこかな。「行っちゃえ!!」っていうのがデカいかな。
Kazuki FACTの時は、「お、行く? ちょっと待ってよ。」っていう感じになっちゃってたから(笑)。
Hiro やっぱり、6人いるとみんなそれぞれ考えもあるわけで。で、その中の「やっちゃえ! やっちゃえ!」っていうタイプの3人が集まっちゃったみたいな(笑)。
Takahiro 俺は一回考えるよ!(笑)
一同 爆笑
Hiro 無理だって言えばそれまでだけど、無理だと思ってもやっちゃえば無理じゃなくなったっていうのは勉強になりましたね(笑)。
Takahiro やらなきゃ成長できないからね。まだ結成したてだから、どんどんライヴをやって、どんどん成長していきたいですね。
Hiro SHADOWSっていうバンドをもっと知ってもらいたいし、知ってもらうためには何をするかって言ったら、ライヴをするしかないと思うし。フォロワーがどうとか、SNSだけじゃなくて、人前でライヴをすることが一番だと思うし。
Kazuki 真実はそこにあるからね。

FLJ 5月11日からはリリース・ツアーが始まりますが、前回のツアーの倍以上の数になってますね。
Kazuki ハコで言えば初めて行くところもけっこうある。
Hiro 場所でも、旭川と沖縄は初めてだし、ツアーで新潟行くのも初めてだよね。
Kazuki みんな遊びに来てくれればいいけど。まだツアーの真っ最中なので是非ツアーへ、そして7月14日にTSUTAYA 0-EASTでやるツアー・ファイナルに遊びに来てください。



『illuminate』
4月26日リリース
(maximum10)

shadowsjapan.com

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