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COUNTRY YARD

April 07,2020

パンクをルーツに持ちながらも、さらに新しい扉を開いていく自由な音楽

From FLJ ISSUE 71(3.30.2020)

PHOTO: Jesse Kojima, Toma Kamimura (Live)

2008年東京・町田にて結成。メロディック・パンクの文脈で語られることも多いが、そのサウンドは、パンクのみならず、’80sやインディ・ロックも含むメンバーのバックグラウンドが反映されたもので、あまりにもオリジナルなものだ。パンクから派生、進化した自由な音楽をやっているという意味では、日本では稀有の存在のバンドではないだろうか。昨年7月にPIZZA OF DEATHに移籍し、10月には初となるベスト・アルバム『Greatest Not Hits』を発表。今年3月にレーベル移籍後初となるフルアルバム『The Roots Evolved』をリリースしたのだが、さらに突き抜けて、新しい扉を開いたような作品となっている。

左から、Hayato Mochizuki (Gt/Cho), Keisaku “Sit” Matsu-ura (Ba/Vo), Yu-ki Miyamoto (Gt/Cho), Asanuma Shunichi (Dr)

FLJ 今までの活動の中でいくつかターニングポイントがあったと思いますが、それは何でしょう?
Keisaku “Sit” Matsu-ura 一番は、最初にこれをやろうと思えたことですね。それがスタートにつながったので。それぞれ自分でやりたいことがあって、自由にバンドをやってたところから、バンドとして作品をリリースしてツアーを回るというバンド像というものに気づかされていくんです。こういうことを言うのはあれですけど、もしかしたらメンバーチェンジは節目ではなかったのかなって思いますね。COUNTRY YARDというバンドにふるいがかかって、最終的な節目でそのふるいにポツンと残ったのが、たぶんShunちゃん(Asanuma Shunichi)なのかな。自分的に大きなターニングポイントは2~3個あって、その3個目にPIZZA OF DEATHが来てるようなイメージですね。
Yu-ki Miyamoto 2012年に『Heart Island』を出した時に、ラジオとか、ダセエとか言って、全部断ったんですよ(笑)。カッコいいことをしようみたいなことを決めた時は、ある種ターニングポイントだったかもしれないですね。いわゆる「COUNTRY YARDが来てる」みたいな波を、自分たちから乗らなかったんです。あそこでやるべきことはやらなかったっていうのは、今では軽くジョークになるんですけど。でもそういう時に、「こういう風な方がカッコいいんじゃないか」っていうのをちゃんとメージとして持ってたから、今この状況になれてるのかなって思うところはありますね。
Keisaku “Sit” Matsu-ura 最初のチャンスの時に、バンド自体が突っ張ってたんですよ。でも今がまたもう一回来たチャンスだと考えると、そこは自然に楽しめるし、受け止められるし、そこで攻めようっていう気にもなれるんです。
Hayato Mochizuki ターニングポイントは別になかったですけど、PIZZA OF DEATHから出るっていうのはデカいですね。でもそれは、個人的にPIZZA OF DEATHっていうレーベルが、やっぱり憧れだったし、好きだったので。
Asanuma Shunichi Miyamotoのことは前から知ってて、COUNTRY YARDのことを知ってからは5~6年ぐらいなんですけど、COUNTRY YARDの音楽を知れたことが、自分にとってのターニングポイントになったと思いますね。

FLJ ドラムが独特なんですが、COUNTRY YARDにはスゴく合ったのは大きいですよね。
Asanuma Shunichi 長い間どことも合わなかったんですよ(笑)。でも合っちゃいましたね。最初に合わせた時も、別にどうこうしようとかはなくて、自然に演奏しただけでも、「ああ、こういう感じか」みたいな感じで、すんなり音楽に入っていけたんです。
Keisaku “Sit” Matsu-ura 自分たち以上に周りのバンド仲間とか先輩たちの方が、「Shuちゃん、マジでCOUNTRY YARDに合ってるよね」とか言ってくれたんです。今までいろんなドラマーの人たちとやってきたけど、そこまで言ってくれることってあまりいなかったから。
Asanuma Shunichi それがうれしかったですね。

FLJ アルバムを聴くと、COUNTRY YARDの音楽自体、追求してきたオリジナリティがここに来てさらに一つ抜けたと思うんです。PIZZA OF DEATHへの移籍と音楽の進化がタイミング的に一致したのは素晴らしいことだなと思ったんですが。
Keisaku “Sit” Matsu-ura そうですね。最初はPIZZA OF DEATHを意識して、そこに寄せて曲作りをやろうかなみたいに思ってたんです。でも、「寄せる」って何だよ?と思って。メンバーも「そんなに気にしなくていいんじゃない?」って言ってくれたんですけど、考えれば考えるほど、「PIZZAに寄せるって何だ?」と。「いや、わかんねえな」ってなって。普通に自然に好きなものを作ろうと思って、シンプルな精神状態で作りましたねね。

FLJ では、何故ここまで音楽を昇華させることができたんでしょう?
Keisaku “Sit” Matsu-ura 例えば、『QUARK』に入ってる「I’ll Be With You」っていう、ライヴでよくやってる曲があるんですけど、あれは2013年の曲で、こういう曲を作りたかったって思ったのは2008~2009年にまで遡るんですよ。でもその時にできなかったことが2013年に自然とできてたわけです。だから、もしかしたらめちゃくちゃやりたかったこと、頑張ってもできなかったことが、自然と消化されて2019年に自然と作れるようになったっていう風にも解釈できるんです。

FLJ 今回はどのように曲を作りました? いつもと曲作りのアプローチは変えています?
Keisaku “Sit” Matsu-ura 基本的にはアコースティックギターから作って、そこからアレンジとかを組み立てていきます。でも今回は、最初にShunちゃんと二人で、ベースとドラムで入って、ある程度骨組みとなるデモを作ってからバンドに持っていったんです。そうした方が、Miyamo(Yu-ki Miyamoto)とHayato(Mochizuki)にとっても、弾き語りで渡したものからどんどん想像力を上げていくというよりは、「これはこういう曲だよ」っていう明確な姿が目の前に現れた方がわかりやすいのかなと思って。それが今回から始まった曲作りの大きな違いですかね。

FLJ その曲作りの段階で、ドラムはどのように考えていきました?
Asanuma Shunichi Sitの中で、「ここはこういうビートで行きたい」とか「こういうフレーズで行きたい」とかいう明確なものがあって。それをまず忠実に叩くことと、あと、ちょっとプラスして自分で「こんなのどう?」っていうのを足していく作業でした。たまにう~んってなる時もあったんですけど、それもまた自分の成長にもつながるし、より自分の幅を広げられた作品にもなりましたね。

FLJ ギターの二人はそれに対して、どのようなアプローチをしていきました?
Yu-ki Miyamoto ベーシックが決まってると、ある程度形は見えるじゃないですか。前までは、それぞれの意見を取り入れるような作り方をしてたんですけど、今回は「これは鳴っててほしい」とか、「ここでこういうのを弾いてくれ」とか、アコースティックの曲だとほぼSitが作ったフレーズだったりするんです。そこに各々の持ってるエフェクターを踏んでみたりしたんですよ。今回たまたまマイクの調整をミキサーでやった時に、俺が声にコーラスやリヴァーブをかけてみたりしたら、「これはこの雰囲気の方がいいかも」ってなって。今まであまりないような感じでエフェクトを駆使してみたら、一気に開けた部分もあったんです。

FLJ 「Purple Days」という曲なんて、ギターのエフェクトのかけ方がU2を彷彿とさせていますよね。
Keisaku “Sit” Matsu-ura それこそ結成してスタートした時ぐらいは、俺がスゴくU2を聴いてた時で。HayatoにもU2のDVDとかを観てもらったりしてたんですよ。たぶんその時はあまり響いてなかったと思うんですけど。
Hayato Mochizuki 当時はわからなかったというか。まあ、こういうバンドなんだろうなっていうぐらいで。
Keisaku “Sit” Matsu-ura それが3~4年ぐらい前から、Hayatoも自然とU2をいいなと思ってくれたみたいで。
Hayato Mochizuki 自分からどんどん聴き始めたら、「あの時に言ってたこのフレーズって、こういうことなのかな」ってなって、だんだんつながってくるんですよね。言いたかったのはこれなのかってわかるんですよ。
Keisaku “Sit” Matsu-ura だから、今はスゴいフラットな気持ちでディレイとかも踏んでるだろうし。音楽的にもスゴい無理してないと思うんですよ。新しい音をあまり新しい音としてやってないというか。「これを知ってるからこれを加えてみよう」みたいな感じだったのかなとは思います。

FLJ 「Purple Days」はどのようにして生まれたんですか?
Keisaku “Sit” Matsu-ura あの曲はスタジオに行く前にフレーズが思い浮かんで。そのままスタジオに着いて、「こういう感じで」って言って、「Hayato、一回このディレイの感じで、このフレーズをやってみてくれない?」って言って。それでMiyamoが、8ビートの感じを出してきて、「これで一回行ってみれば?」って言って。そこからはたぶん何もやってないんです。
Asanuma Shunichi 一番何もやってない曲ですね。
Yu-ki Miyamoto 声にコーラスをかけて、「ニュー・オーダーってこんな感じでやってたっけ?」とか言いながら、とにかくやって。ボウイを通ってたわけでもないのに、「デヴィッド・ボウイだったら何もやらないんじゃないか」とか。それで、来る途中で出来た曲だって言ってたから、あまり練ってないんだろうなとかっていうのも汲み取ったんです。だから、サラッと合わせただけでしたね。

FLJ ’80年代の音楽はけっこう好みなんですか?
Keisaku “Sit” Matsu-ura 好きですね。自分的には、U2とザ・キュアーのミックスなイメージがあって。でも、Turnoverとかも好きなんです。Turnoverのようなバンドが、’80年代的なゆっくりな曲にドラムだけハードなドライブでやってますよね。あのアンバランスな感じとかは、たぶんMiyamoのヴァイブスなのかなと思うし。それをShunちゃんはShunちゃんで楽しそうに叩いてくれてるし。随所にアメリカのポップ・パンクのヴァイブスもあったりもする。そこが自然にミックスされてるのかもしれないですよね。

FLJ 一方で、1曲目の「Passion」にしてもそうですが、ツービートの曲では、もはやいわゆるメロコアのツービートという感じは全くしないですよね。そこで歌っている歌を聞くと、もはやツービートは単にビートでしかないなと思うくらい、ちょっと違う次元に行ってますよね。
Keisaku “Sit” Matsu-ura ツービートでもバラードみたいな曲があってもいいと思ってるんですよ。やっぱりみんなが曲を聴く時は、歌とか声だったりすると思うので。あまりビートを気にせずにメロディが入ってる曲を常に目指してはいますね。

FLJ そこはやっぱり一つ抜けたんですかね。
Keisaku “Sit” Matsu-ura 今までやってきた中で大事なことはキープしつつ、プラスで成長もしてると思うんですけど、無駄なことはなくなったかもしれないですね。

FLJ その「Passion」なんですが、ギターのハウリングからドラムで始まるイントロもめちゃくちゃカッコいいですね。
Asanuma Shunichi Sitのアイデアなんですよ。
Keisaku “Sit” Matsu-ura レッド・ツェッペリンの「Rock And Roll」のヴァイブスです(笑)。
Yu-ki Miyamoto あの曲もライヴをイメージして作ってたよね。

FLJ フックから一気に視界が開ていく感じがスゴいカッコ良かったです。そういう音の抜けの良さは、音楽に対する向き合い方とも関係しているんですかね。前に話を聞いた時、自分がどこにも属さない孤独を歌にしてきたという話もありましたが、今回の歌詞ではラブソングもあるし、心境の変化もあったのかなと思って。
Keisaku “Sit” Matsu-ura そうですね。個人的な話をしちゃうと、制作中にばあちゃんが亡くなって、今度は妹の子供が生まれたりしたんです。終わるものもあるし、始まるものもある。身近な大切な人が亡くなって、また身近で大切な命が生まれることって、誰にでもあり得ることですよね。そこでやっぱり気持ち的な面はスゴく変わりましたね。

FLJ アルバムの曲は歌詞も良いですよね。「Passion」というタイトルの曲では、「情熱の届け方を俺は見つけられないよ」っていう逆説を歌っているのも良かったです。
Keisaku “Sit” Matsu-ura 情熱の届け方って難しいですよね。自分では届けてるつもりでも届いてなかったら、届けてることにはならなかったりするから。

FLJ 4曲目の「Tonight」も名曲ですね。
Keisaku “Sit” Matsu-ura ラブソングですね。そこもやっぱり心境の変化はありますね。「ラブソングなんて書かねえ」って気持ちでやってたけど、今は自分が書きたくて書いてるから。作りたいものの変化があるからだろうし、今書きたいことに対する変化だってあるからだと思うんです。

FLJ 元々、パンクを選んでいるわけだから、孤独や怒り、アンチなどの感情も原動力にあったわけですよね。
Keisaku “Sit” Matsu-ura 自分が大切にしてる人を思う気持ちとか、柔らかいものって、確実に自分の中で柔らかくなってるのはわかるんですよ。だけど、政治に対することとか、世の中に対する鬱憤とか、今もまだ吐き出したいと思うし、そういう怒りみたいなものはやっぱりあるんです。それが二つとも共存してはいるんだけど、基本的には優しい気持ちとか、あったかいものを提供していきたいっていう部分もあって。そこは今真っ直ぐになってるところではありますね。

FLJ 「Tonight」は英語の歌詞もヤバいんですよ。「朝よ まだ来ないでくれ」が「And I curse the morning light」になっていて、朝の光を呪う(curse)って言っているんですよね。
Keisaku “Sit” Matsu-ura 自分は英語のできる人と一緒に、セッションしながら歌詞を書いてるんです。自分はこういう風にやりたいっていうワードは先に挙げて、英語に対して自分の日本語もテーマに添いながら書いていく。そうやって歌詞を組み立てていく感じなんです。

FLJ 「Purple Days」という曲の歌詞では、フックで韻も「stereo」「radio」「Demio」「studio」と踏んでいるのが面白いし、フロウもリズミカルで良いですね。
Keisaku “Sit” Matsu-ura デミオはたまたま自分が乗ってたからですね(笑)。スタジオに行くまでに出来た曲なので、スタジオに行くまでに車を運転して、「風はステレオみたいに鮮明で/耳元でラジオみたいによく喋る/このデミオは良く知ってるんだ/スタジオまではまだ時間がある」って歌ってるんです。これは韻を踏めるなと思って作りました。

FLJ 例えば、洋楽のロックって、特に深い意味はなくても、言葉の響きとフロウの雰囲気でつかんでくる感じがありますよね。この曲にはそれを感じました。
Keisaku “Sit” Matsu-ura 本当、曲にほとんど意味はないんですよ。聞こえとか言葉遊びなんです。オアシスとかもそうじゃないですか。めちゃくちゃ有名な曲だけど、別に意味はないよっていうものばかりだから。だから、曲自体に意味なんかなくても、それぞれが勝手に意味を取ったりとかすれば別に良くて。

FLJ アルバムの構成で言うと、最初の4曲が終わって、5曲目の「Not A Stairway」から曲の雰囲気がガラリと変わりますよね。
Keisaku “Sit” Matsu-ura そうなんですよ(笑)。

FLJ ここから好きなことをやっていますよね(笑)。
Keisaku “Sit” Matsu-ura 曲作りの段階では、この曲は1曲目、2曲目とか決めずに、12~13曲ぐらいをまず持って行って、レコーディングしてから決めようってやったんです。録り終えた後に、みんなそれぞれで曲順を一回考えてみようって出し合ったんですが、意外とみんな同じ感覚で曲を並べてて、面白いなと思ったんです。確かに、頭から4曲目ぐらいまでは、たぶんこれが今までのCOUNTRY YARD節なのかなとは思うんです。でも、僕ら的にはここから後半もCOUNTRY YARD節ではあるし、あまり前半と意識的には変わってはいないと思うんです。後半にはいろんな曲がたくさん入ってるし、好きなことをやってたりもするから、そこはやっぱり玄人ゾーンかなとは思うんですけど。

FLJ 玄人ゾーン?!(笑)
Keisaku “Sit” Matsu-ura そう呼んでますね(笑)。その後に、「Son Of The Sun」っていうアコースティックの曲が、突然真ん中の方にバンと来るんですけど、オアシスとかああいうバンドにしても、平気で4曲目あたりでゆっくりな曲を持ってくるじゃないですか。そういうことも作品の中でやりたかったんです。

FLJ 「Son Of The Sun」はすぐに生まれた曲ですか?
Keisaku “Sit” Matsu-ura 意外とポッと出てきちゃって。俺も空気を見つつ、スタジオで披露したりするんですけど、「Son Of The Sun」に関しては、休憩とかダラダラしてる時にポロっと弾いてみて、どういうリアクションをするのかな?って思って。でも意外と「新しい」って言ってくれたんですよ。たまたまみんな音楽的にもそういうところにいたから、そのチャレンジをみんな理解してくれたと思うし、一緒にチャレンジしてくれたような気がしますね。

FLJ 「Not A Stairway」は、さっきも話に出た、ツービートの乗せる歌メロとしては、「らしくない」メロディを乗せていますよね。
Keisaku “Sit” Matsu-ura そこはスゴく狙いましたね。メロディが少なくて、空間もあるし、急いでないし。そこはツービートだからメロコアとかパンクとかじゃないと思うんですよ。俺たちの場合、バンドをやりたいと思った時のタイミングが、たまたまパンク・ロックに背中を押されてやりたいってなっただけだから。音楽というものに関して言えば、みんな考えてることとか、受ける影響とか、それぞれが違うはずなんですよ。だから、そこはスゴい自然に音楽をやってるのが出てるんじゃないかなと思うんですよね。

FLJ パンク・ロック自体、それがハードコア、メロコア、エモ、ポップ・パンクに進化したり、さらにいろいろな音楽に派生していきますよね。それこそCOUNTRY YARDが一緒に共演もしたTitle Fightのようなバンドは、そこをルーツにしながらも、新しい音楽を自由にやっている。そうなってくると、パンクは音楽的な枠ではないですよね。COUNTRY YARDには、日本のバンドでは珍しく、そういう部分を感じます。
Keisaku “Sit” Matsu-ura そうなんですよね。Title Fightは本当に自由だし、冒険心とか実験心とかもスゴい満載だし、音楽に向けてスゴい情熱を込めてやってるんですよね。だから自分らもそういうバンドではありたいですよ。自分にとっては、パンクというものは音楽ではないんですよ。形としてあるものじゃないから。だからスゴく難しいんですけど。
Yu-ki Miyamoto そこはどうしても日本のルールとして、「こういうのをやって、こういうスタイルがパンク」ってなってるんですけど、「いやいや、昔はそういうことに対して不満があったからこそ、こうなったんでしょ」っていうのがどこまでもあるから。「やっぱり人の真似をしてるのはパンクじゃないっしょ」みたいなところは、音楽を作る上でもあるんです。そこは言葉にはしなくなりましたけどね。自分たちが思うことを思うように表現することが何よりも大事なわけだから。

FLJ メンバー一人ひとり、このアルバムの聴きどころを教えてほしいんですが。
Keisaku “Sit” Matsu-ura 俺は「Bad」のギターソロですね。たぶん唯一のギターソロじゃないかな。ここ最近、ギターソロというものがほとんどないので。このソロは前半と後半の間のスゴい接続をしてくれてるし、ワクワク感を持ってきてくれてるんです。まあ、チョーキングでハケていくんですけど、そのチョーキングを「もう少しチルで終わってほしい」とか言いましたね。「レモンサワーをもう1杯飲んで、聴いてください」とか(笑)。
Hayato Mochizuki そのチョーキングの位置を俺はずっと頭の方でとらえてたんですけど、Sit的にはちょっと後にずらすみたいな感じだったみたいで。でもそれってその人の感覚でしかないし、どこでチョーキングすればいいんだろう?と思って。「とりあえず3発弾いてみて違ったら、もう1回やってみるか」ってことで、ずっとやってた感じでしたね。「OK」って言われても、正解はわからなかったです(笑)。あと、Miyamoのギターで言うと、「Turn On, Tune In」のイントロが、Miyamoっぽさもあるし、いいギターだなって思いましたね。
Asanuma Shunichi 「Bad」でHayatoのギターソロの後に、俺のドラムソロが来るんです。最初は「ちょっとそれ、わかりづらいんじゃない?」って言われたんですけど、自分的にはそれを押し通して良かったですね。普通の連打だけにしても良かったんですけど、ちょっとそこで空間を作りたかったんですよね。
Keisaku “Sit” Matsu-ura ああいうところにドラムソロが入るのって、本当にオールドなロックンロール・バンドがやってたようなことなんですけど、それを現代に持ってきたかったんですよ。
Asanuma Shunichi あとは、音ですかね。曲の良さをより一層引き立たせてくれてる音質も重要ですね。

FLJ そこのサウンド・プロダクション上のこだわりは?
Keisaku “Sit” Matsu-ura エンジニアのアンドリューさん(FUCK YOU HEROES/FULLSCRATCH/BBQ CHICKENS)ですね。
Yu-ki Miyamoto そこはまかせっきりなんですけど。ライヴでも観てくれてたり、オペレーションしてくれたりしたこともあって、「本当はCOUNTRY YARD、どうなってたらもっとこうなんじゃないの?」っていうのを考えてくれてたんだよね。俺らも信頼してるエンジニアだし、向こうも好きでやってくれてる感じがスゴくしました。
Keisaku “Sit” Matsu-ura 元々、現代パンク的な音は作らないようにしようっていうのはあって。ハイファイなものを作りたくはないと思ってたんですよ。アンドリューさんもそう思っててくれてたし。エンジニアとバンドが作品に向かう方向が自然と一緒だったんです。
Yu-ki Miyamoto 全曲を通していいし、全曲にちゃんとみんなの色があると思うんですよね。仮にCOUNTRY YARDのことを知らなかったとしても、バリエーションは感じてもらえるだろうし。それってたぶん各々の引き出しがあるからじゃないですか。あと、「ジャケットを見ながら聴いてほしいよね」って、よく話してたんですけど、ジャケットもスゴくまとまったものになってますよね。ギターを持ってる子がいて、動物がいるんですけど、それは僕らのことを物語ってて。スゴくアットホームなんだけど、俺は未来を感じるんですよ。みんなが一丸となって作ってくれたし、リリースしてくれたり、絵を描いてもらったりっていうのが、スゴく丸く一つにまとまってると思うんですよね。全員の意思が乗ってる感じがスゴくこの1枚の絵にまとまってるんですよ。

FLJ アルバムのタイトルも『The Roots Evolved』ということで、ルーツからの進化を入れているから、COUNTRY YARDの集大成的な意味合いもありますよね。
Keisaku “Sit” Matsu-ura ’60年代からビートルズのようなロック・バンドが、音楽というものをアートにのし上げてくれた歴史があるんですけど、今の2020年、「音楽がアート=芸術」だよっていう感覚が少しなくなってきてると思うんですよ。自分的に音楽ってやっぱり芸術だと思うから、ジャケットも妥協のない、インスピレーションのあるものであってほしいし、中身ももちろんそうなんです。元々自分たちはArt & Soul Recordsっていう自主レーベルを少しやってたくらいだから、そういう気持ちは変わってなくて。今回も自分たちの音楽はアートだと思って作ったところはありますね。


『The Roots Evolved』
(PIZZA OF DEATH)
3月4日発売

Track List:
01. Passion
02. Bad
03. Moon July
04. Tonight
05. Not A Stairway
06. Son Of The Sun
07. Purple Days
08. Turn On, Tune In
09. When I Was Young
10. Daylight
11. I Don’t Want To Stay Here

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